雲の峰

反対とシュプレヒコール雲の峰

蓮の花

蓮の花眩暈の中に仏在り

酷暑

悪人が往生する日も酷暑かな

鰻

土用の丑うなぎ食ふ人食わぬ人

松葉牡丹

初孫の指差す松葉牡丹かな

桐の花

せせらぎに耳傾ける桐の花

夏の山

夏の山六根浄の日の出かな

黒百合

黒百合や明日の風が今日に吹き

立葵

里山に対峙して咲く立葵

裸婦像

裸婦像を涼しげに見る乙女かな

合歓の花

合歓咲くや胸がときめく風が吹き

夏の星

生きているそれだけでいい夏の星

浜昼顔

浜昼顔渚を走る影は何

暑き日

暑き日も酒は燗酒平和なり

蝉

存在の寂しさに耐え蝉が鳴く

森林浴

橅の道森林浴で日が零れ

噴水

噴水や弾ける水の笑顔かな

扇（あふぎ）

物忘れ楽しむゆとり扇かな

青田

越後路や迷ふ風吹く青田かな

夏の月

夏の月お化け怖くて雲隠れ

擬宝珠

山見んと背伸びして咲く擬宝珠あり

夕顔

夕顔や化粧落として明日を待つ

のろま人形

のろま人形勃起する暑さかな

亀の子

亀の子や遊び疲れて甲羅干し

小暑

恥じらいを知り人となる小暑かな

命日

命日やこの日のために百合咲けり

虹

虹の橋渡る風には光あれ

赤蟻

切株を登る赤蟻天高し

夏の蝶

千枚田水鏡の空初夏の蝶

さくらんぼ

初孫の瞳輝くさくらんぼ