四十雀

率直に愚直に生きん四十雀　　　　　　　

春の雨

春の雨知らぬ街では風いじけ　　　　　

春吹雪

待ち人は今日も来たらず春吹雪

春の空

鳶一羽舞ふには広き春の空　　

梅

老楽は梅一輪の香りかな

春雷

春雷や諸肌脱いで雪が降り

冴え返る

風転び我躓いて冴え返る

淡雪

淡雪や会釈して風通り過ぎ

寒鴉

ああ言えばこう言い返す寒鴉

春の風邪

老ひてなほ夫唱婦随春の風邪　　　　　　　　

春めく

老妻の鼻ぼこちょうちん春めけり　　　　　　　

春の雪

晴着きていそいそと降る春の雪

蕗の薹

時間とはほろ苦きもの蕗の薹

春の夢

宇宙人ハロハロピポパ春の夢

牡丹の芽

老ひたると雖も我は牡丹の芽　　　　　

椿

生きるとはただ生きること椿落つ

二月

雪の花咲く新潟の二月かな　　　

冴え返る

貧すれば心静かに冴え返る　　　　　　

春の雲

春の雲しかめっ面して雪降らし　　　　　

春一番

春一番雪に雷雨霰　　　　　

春の雪

風憩ふ猫の額に春の雪

春浅し

聴診す医師の表情春浅し

命日

命日に梅干しの種割りて喰ふ

二月

昨日は雨今日は雪二月かな　　　　　

立春

立春に二分遅れの鳩時計　　　　　

節分

節分や我が顔貌に鬼は外

枯蘆（かれあし）

枯蘆や生きていくため枯れにけり　　　　　　　　

春近し

ミヨちゃんの頬っぺた赤い春近し